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【初級】
ストキャスティクス(Stochastic oscillator)
とは?
ストキャスティクスとは、買われ過ぎ・売られ過ぎを分析できるテクニカルツールです。
オシレーター系と言われる、インジケーターの一種になります。
ストキャスティクスでは、期間を設定して「その期間内の価格の中で割安・割高なのか?」を求めるといった仕組みです。
例えば、5日間の中で最も安い価格なら割安・売られ過ぎと言えます。
詳しいストキャスティクスの見方も解説するので、まずは期間内の価格で売買バランスを予測しているとだけ覚えておきましょう。
MT4のストキャスティクス
MT4では、ストキャスティクスの細かい設定も可能です。
各種数値の設定はもちろん、線の太さ・色まで好みにセッティングできます。
MT4のストキャスティクス基本設定
- %K期間
- %D期間
- スローイング(スロー%D)
- 価格欄(どの価格を計算に組み込むか)
- 移動平均の種別 (SMA・EMAなど)
- 下限設定・上限設定
例えば、ストキャスティクスに表示するラインをEMA化したい場合も設定可能です。
初心者の方は、初期設定のまま使い方を覚えるのがオススメです。
各数値の意味も解説します。
【基礎】
ストキャスティクスの基本的な見方
ストキャスティクスは、2本の平均線と横軸のパーセンテージで表示されます。
- 売買バランス(%K)
- 短期の平均線(%D)
- 長期の平均線(スロー%D)
難しい計算式は、覚える必要はありません。
どんな平均線と数字なのかを覚えましょう。
売買バランス(%K)
ストキャスティクスの軸となる数字です。
0%~100%までの目盛りがあります。
- 80%以上→買われ過ぎ
- 20%以下→売られ過ぎ
基本的には100%に近いほど、買いが多く・売りが大きいと考えます。
売買バランスを「%K」と言います。
設定した期間内の、高値や終値から計算し、期間内の高値で比較的高ければ買われているといった仕組みです。
短期の平均線(%D)
ストキャスティクスの短期的な動きをみる線です。
正しくは、ストキャスティクスの「%D」と言います。
- 短期の平均線が上向きだと、短期的には上昇トレンド
- 短期の平均線が下向きだと、 短期的には下降トレンド
このように、ストキャスティクス上は判断できます。
また、売買バランス(%K)と組み合わせて考えると、短期の平均線が上向き・80%K=短期の上昇トレンド発生中で大きく買われていると予想できます。
仕組みとしては、%Kを平均線に変えたのが%Dになります。
分かりやすく言うと、%Kは現在の価格が設定した期間の価格で何%の高さなのか?に対して、%Dは%Kが○○%→○○%と推移するのを線で結んだ物になります。
例えば、100円が高値として次に80円なら80%。次に60円なら60%となります。
これを線で結んだのが%Dの短期の平均線となります。
長期の平均線(スロー%D)
ストキャスティクスの長期的な動きをみる線です。
正しくは、ストキャスティクスの「スロー%D」と言います。
- 長期の平均線が上向きだと、長期的には上昇トレンド
- 長期の平均線が下向きだと、 長期的には下降トレンド
このように、ストキャスティクス上は判断できます。
例えば、短期の平均線である%Dと長期の平均線であるスロー%Dが上向きだと短期・長期が上昇トレンドだと判断できます。
仕組みとしては、%Dの平均線をスロー%Dとして計算しています。
ちょっと頭が混乱すると思うので、おさらいです。
- %K→期間内の価格の中で最も高い価格に対して現在価格は何%か?
- %D→%Kの平均
- スロー%D→%Dの平均
ようするに、%Kはタイムリーな現在価格。%Dはその平均、スロー%Dは%Dの平均なので最も緩やかな線になるという事です。
スロー%Dは、最もざっくりとした方向感で長期的なストキャスティクスと言えます。
ストキャスティクスの期間設定について
ストキャスティクスの基本的な見方を解説しました。
さらに発展させ「MT4のストキャスティクスの期間設定」について解説します。
全5項目ありますが、設定を変更すると何が変化するかを踏まえてまとめました。
✓%K 期間
%K期間では、ストキャスティクスの価格割合を見る期間を設定します。
%Kとは、設定した期間内の価格で高さの割合が何%になるのか?といった意味があるとお話ししました。
なので、%K期間=5と設定した場合。1時間足なら5時間の中で最も高い価格に対して何%なのか?となります。
数字が小さいほど短期間、大きいほど長期間のスパンで計算されます。
✓%D 期間
%D期間では、ストキャスティクスの短期的な平均線を見る期間を設定します。
%Dとは、設定した期間内での%Kを平均線にしたものだとお話ししました。
なので、%D期間=3と設定した場合は、%Kが3つで1つとカウントします。
それらを線で結んだのが%Dの平均線になるイメージです。
✓スローイング
スローイングとは、スロー%Dの事です。
スロー%Dは、設定した期間内の%Dの平均線とお話ししました。
なので、スローイング=3と設定した場合。
%Dが3つで1つとカウントします。つまり、%D期間の倍に相当するのがスロー%Dです。
よって、線はより緩やかな長期の平均線として見られます。
✓価格欄
価格欄は、ストキャスティクスの軸となる%Kを、どの価格から計算するかを設定する部分です。
- Low/High→期間の高安値で計算する
- Close/Close→期間内の終値で計算する
このような違いがありますが、最初は初期設定の高安値で計算する設定がベターです。
✓移動平均の種別
移動平均の種別とは、%Dとスロー%Dの平均線をどの計算で平均線を出すかを設定する項目です。
- Simple→単純移動平均線:Simple Moving Average
- Exponential→指数移動平均線:Exponential Moving Average
- Smoothed→平滑移動平均線:Smoothed Moving Average
- Linear Weighted→線形加重移動平均線:Linear Weighted Moving Average
どんな平均線を設定するかで、短期・長期の平均線の描かれ方が変わります。
基本的には、元となる数字が違うだけで移動平均線と同じ仕組みです。
いずれも、同じ移動平均線の仲間です。
上昇トレンドなら上向き、下降トレンドなら下向きといった動きをします。
当然、価格の変動が少なくなれば、移動平均線も波が収縮していきます。
最初は初期設定のSimpleがオススメです。
▷【XM】移動平均線の初心者向け解説!SMAとEMAどっちが良い?違いは?
【応用】
ストキャスティクスの取引シグナル
ここまで、ストキャスティクスの見方・MT4の期間設定を解説しました。
より実践的な「ストキャスティクスの取引シグナル」を解説します。
個々の手法やトレードスタイルによって、複数存在します。
今回は、簡単な定番の取引シグナル4つをピックアップしました。
ストキャスティクスの取引シグナル
- ストキャスティクスのゴールデンクロス
- ストキャスティクスのデッドクロス
- ダイバージェンス
- コンバージェンス
【ストキャスティクス】ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは、買いシグナルです。
長期の平均線(スロー%D)を短期の平均線(%D)が、上抜けた状態になります。
移動平均線のゴールデンクロスと同じ考え方です。
ストキャスティクスでは、売買バランス(%K)が売られ過ぎの水準20%以下で、ゴールデンクロスとなると強い買いのシグナルです。
ストキャスティクス上では、売られ過ぎた相場に決済買いが入りやすいと考えられます。
【ストキャスティクス】デッドクロス
デッドクロスは、売りシグナルです。
長期の平均線(スロー%D)を短期の平均線(%D)が、下抜けた状態になります。
移動平均線のデッドクロスと同じ考え方です。
ストキャスティクスでは、売買バランス(%K)が買われ過ぎの水準80%以上で、デッドクロスとなると強い売りのシグナルです。
ストキャスティクス上では、買われ過ぎた相場に決済売りが入りやすいと考えられます。
【ストキャスティクス】ダイバージェンス
ダイバージェンスは売りシグナルです。
実際の価格が高値を切り上げて推移している中で、ストキャスティクスの短期・長期の平均線が高値を切り下げ(切りそろえ)ている状態になります。
ストキャスティクス上では、実際の価格に対して買われ過ぎていると判断でき、その後の下落が予想できるシグナルです。
【ストキャスティクス】コンバージェンス
コンバージェンスは買いシグナルです。
実際の価格が安値を切り下げて推移している中で、ストキャスティクスの短期・長期の平均線が安値を切り上げ(切りそろえ)ている状態になります。
ストキャスティクス上では、実際の価格に対して売られ過ぎていると判断でき、その後の上昇が予想できるシグナルです。
まとめ
今回は「【初心者ガイド】MT4のストキャスティクス。見方と取引シグナル」のテーマでした。
この記事をまとめると
- ストキャスティクスは売買バランスを予想するツール
- MT4のストキャスティクスは、細かい設定も自由にできる
- ストキャスティクスの取引シグナルは4つをまず覚える
ストキャスティクスには、似た性質を持つインジケーター「RSI」があります。
両者の違いとして、ストキャスティクスでは短期・長期の2本でトレンドを組み合わせて相場のバランスを見られます。
表示する線が多い分、ストキャスティクスは複雑ですが好みに合わせて使い分けましょう。
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