今回は「ダウ理論」について、わかりやすく解説します。
ダウ理論と言えば、全ての金融市場で意識される超重要な相場理論です。
FXも例外ではありません。
「億トレーダーの使う○○手法」「ヘッジファンドの○○ロジック」の軸となる考え方、インジケータのシグナルも全てダウ理論が派生したもの。
いわば、トレード技術は本質的にダウ理論が生みの親です。
とは言え、ダウ理論を勉強しても9割の初心者が難しすぎて挫折。
ダウ理論が難しすぎる方へ、わかりやすく解説する内容でお届けします。
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ダウ理論とは?
ダウ理論とは、チャールズ・ダウ氏によって考案された「価格の動き」に関する理論です。
株式市場では価格の動きに法則ある考え方になります。
ダウ理論の誕生は、およそ100年前ですが全ての投資家・トレーダーが知る超有名な法則です。
特徴的なのは、ダウ理論は「完全なテクニカル重視の法則」であり、「チャートから全てを読み解ける」という事。
ようするに、移動平均線などテクニカルツールも不要。そして、難しい経済ニュースも何ら重要視しません。
ダウ理論は実は、シンプル・イズ・ベストな考え方です。
ダウ理論の「基本原則6つ」を
わかりやすく解説
ダウ理論の基本原則6つ
- 平均はすべての事象を織り込む。
- トレンドには3種類ある。
- 主要トレンドは3段階からある。
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
ダウ理論には基本原則が6つあります。
言ってしまえば、基本原則の6つがダウ理論の全てです。
ダウ理論の6つの基本原則では「価格の動き」に関する内容を語っています。
難しい言葉が並んでいますが、結論「ダウ理論はローソク足チャートを見れば簡単に理解できる」といった感じです。
実際にチャートを使ってわかりやすく解説します。
ダウ理論の基本原則①
「平均はすべての事象を織り込む。」
ダウ理論の基本原則①「平均はすべての事象を織り込む。」とは、市場価格は全ての事象を織り込んでいるといった考え方です。
基本原則①は、ダウ理論の軸になります。
なぜなら、価格の動きである「テクニカル」のみを重視したのがダウ理論だからです。
例えば、極端な話「経済指標や要人発言によって価格が下がった」という意見があります。
ダウ理論では「価格が下がったから経済指標の結果が悪かった」と考えます。
そもそも、市場価格は売買取引によって成立します。多く買われると高く、多く売られると安くなります。
買いたい人・売りたい人がいて、市場価格は成り立っている仕組みです。
つまり、様々な出来事は価格に反映されており、価格は売買取引で決まるから市場価格が全てといった考え方になります。
ダウ理論の基本原則②
「トレンドには3種類ある。」
基本原則①は「市場価格が重要」といった話でした。
ダウ理論の基本原則②では、市場価格の動きについて触れています。
市場価格の動きでは「トレンド」をダウ理論では重視します。
トレンドとは、価格が上下どちらに動きやすいか?という意味です。
トレンド=流行ですから、今の市場では価格が上がる・下がるのどっちが流行なのかを意識します。
ダウ理論のトレンド分類
- 主要トレンド→1年~数年のサイクル
- 二次トレンド→3週間~3か月のサイクル
- 小トレンド→3週間未満のサイクル
ダウ理論では、トレンドを3つに分類します。
難しい言葉が並んでいます。
「トレンドには大・中・小と、大きなサイクル・小さなサイクル」ようするに、これだけの事が分かっていればOKです。
大きなトレンドでは、その中に小さなトレンドのサイクルがあります。
いわゆる、MTF(マルチタイムフレーム)分析の考え方です。
ピンと来ない方へ、以下の記事でわかりやすく解説しています。
▷【超重要】MTF分析(マルチタイムフレーム)を解説!FXで必須のスキル。
ダウ理論の基本原則③
「主要トレンドは3段階からある。」
基本原則②では「トレンドは3つのサイクルがある」と解説しました。
ダウ理論の基本原則③では、トレンドのサイクルとは何か?について触れています。
トレンドのサイクルを理解すると「買ったら下がった」といった負け方を減らす効果が期待できます。
ダウ理論のトレンドは3段階
- 先行期→少数の市場参加者が「底値買い」をする時期。トレンドの初期段階。
- 追随期→市場価格の上昇を見て、他の市場参加者が追随して買う時期。トレンドの中期段階。
- 利食い期→先行期の市場参加者が利食い(利益確定)をする時期。トレンドの終期。
ようするに、トレンドには「始まり~終わり」があるという事です。
例えば、1つのポジションを持ち続けても、いずれは売らなければ利益を得られません。
トレンドには、サイクル(初期・中期・終期)があり、負ける人ほど終期になってから買いガチです。
市場参加者とは?
トレーダー・投資家・ヘッジファンドを含み、市場で取引する全ての人を指します。
ダウ理論の基本原則④
「平均は相互に確認されなければならない」
株式市場がベースのダウ理論。
平均=平均株価の事について触れています。
2つの平均株価でトレンドが確認できると、明確なトレンドが発生るという考え方です。
FXでは、通貨の相関関係で考える事が出来ます。
例えば、ドル円の上昇トレンドなら他の対円・対ドルの通貨ペアでトレンドを考える方法です。
ドル円が上昇トレンドなら、ドル安の状況になります。
他の通貨と比較しても、ドル安の場合は全市場でドルに対する上昇トレンドが発生していると考えられるといった感じです。
ダウ理論の基本原則⑤
「トレンドは出来高でも確認されなければならない」
トレンドが発生した場合、出来高を伴って価格が動く必要がある。
これがダウ理論の基本原則⑤の考え方です。
出来高とは、期間内に成立した取引の量を言います。
1時間足の出来高なら、1時間の間に成立した取引の量です。
なぜトレンドを判断するのに出来高が必要なのかというと、取引が少ないトレンドは長続きしない仕組みだからです。
例えば、クリスマスの米国市場、年末年始のアジア市場がわかりやすいと思います。
市場参加者が少ないと、取引量(出来高)も激減します。
極端ですが、世界に10個しかない投資商品が5個ほど安く売られれば、平均価格(市場価格)は落ちます。
しかし、1000個に増えればどうでしょう?その中の5個を売った所で価格に影響はほとんどありません。
出来高が大きい=その後の価格に与える影響が大きいので、トレンドに出来高が必要という事です。
ダウ理論の基本原則⑥
「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」
文字通り、ダウ理論の基本原則⑥は「トレンドは転換シグナルが発生するまで継続する」です。
- 上昇トレンド→高値と安値を切り上げて推移する。
- 下降トレンド→高値と安値を切り下げて推移する。
そもそもトレンドは、上昇と下降の2種類のみ。
ダウ理論では、高値と安値の位置関係が変わらない限り、トレンドは変わらないと考えます。
基本原則の中で、転換シグナル発生までのトレンド継続は最重要です。
たったこれだけ覚えれば「買うべきか」「売るべきか」を迷う必要はありません。
- 上昇トレンド発生中→買う
- 下降トレンド発生中→売る
もし、高値も安値も切り上げず、切り下げもしないレンジ相場なら「待つ」。
非常にシンプルです。
【本質】FX初心者が知らないダウ理論の欠点
- ダウ理論のトレンドサイクル分類が難しい
- ダウ理論のトレンド段階が見極められない
- 出来高をFXで確認するのはほぼ無理
何となく基本原則を理解しても、FXでは使えません。
億トレーダーや、数兆円規模のプロ投資家と同じダウ理論を使ってもなぜ勝てないのでしょうか?
なぜなら、株式市場がベースなので「ダウ理論をそのまま」使えないからです。
FX初心者が知らない、FXでダウ理論を応用する方法を解説します。
ダウ理論のトレンドサイクル分類が難しい
ダウ理論では、主要トレンドのサイクルが1年。最も短いサイクルの小トレンドでも3週間です。
とは言え、気になるのは今買えば上がるのか?まさに売り時なのか?を知りたいですよね。
実際に、ダウ理論では3週間の中で何日が上昇トレンド、下降トレンドとは決まりがありません。
そもそも、FXの取引は平日24時間なので価格のサイクルもFXの方が早いです。
FXでは、このように考えましょう「長期のトレンドが最も強く、短期のトレンドが最も弱い」。
例えば、日足が上昇トレンドで、1時間足が下降トレンドなら日足のトレンドを重要視します。
上昇トレンドでは、安値を切り上げます。
したがって、1時間足の下降トレンドが日足の安値で止まる可能性が高いです。
1時間足のデイトレードなら、売りポジションの決済ポイントとするなど応用できます。
ダウ理論のトレンド段階が見極められない
ダウ理論の基本原則で「トレンドは初期・中期・終期」があると解説しました。
しかし、今のトレンドが末期なのか初期なのか?その判断にFX初心者は混乱します。
わかりやすく・使いやすい解決策は2つあります。
- エリオット波動理論と組み合わせる
- チャートパターンで分析する
ダウ理論の欠点は、初期~末期までの具体的な判断基準がない事です。
そして、エリオット波動理論では波の数でトレンドのサイクルを数えられます。
トレンドの段階が分からなければ、段階が分かる法則で補うといった発想です。
エリオット波動理論については以下の記事でわかりやすく解説しています。
▷【本質】エリオット波動理論の基礎!もう迷わない考え方を教えます。
また、トレンド転換系のチャートパターンや、買われ過ぎ・売られ過ぎの判断をするのも有効です。
例えば、上昇トレンドの終期であれば「上昇ウェッジ」で徐々に高値を更新できなくなる状況を分析したりできます。
出来高をFXで確認するのは「ほぼ無理」
ダウ理論の基本原則では「トレンドでは出来高を確認できなければならない」と解説しました。
とは言え、FXの出来高を確認するのは「ほぼ無理」。
なぜなら、FXの取引ツールで出来高を表示しても、反映されるのは「同じFX業者内での出来高のみ」だからです。
ようするに、出来高が大きく見えても、実は全体の市場では出来高が少なかったとなりかねません。
理論上は、全てのFX業者から出来高を合計すれば可能ですが、ダウ理論の生まれた100年前では雲泥の差。
ネット環境があれば、誰でも取引できる時代に「今のトレンドが出来高を伴ったか?」を知るのは不可能です。
どうしても出来高を確認したい場合は、シカゴのCMEが公表する出来高が最も参考になると思います。
市場規模が大きいので、一般向けのFX業者が提供する出来高よりは影響力があります。
しかし、タイムリーな情報ではないので参考程度に考えるのが理想です。
まとめ
今回は「【本質】ダウ理論をわかりやすく解説!知らないとFXで一生勝てません。」のテーマでした。
この記事をまとめると
- ダウ理論は100年前からあるテクニカル重視の理論
- ダウ理論は基本原則が6つある
- ダウ理論の欠点はFX向けではない事→解決できるレベル
FX初心者ほど、勝てない理由を手法が原因だと考えてしまいます。
実際には、基本知識を理解できていないケースが大半。
中でもダウ理論は必須科目と言っても過言ではありません。
個人的には、手法よりダウ理論をガッツリ勉強した方が勝ちやすいと思います。
勝てない→ダウ理論を勉強→デモ口座で運用というのが最強の上達方法ではないでしょうか?
ちなみに私は、XM(エックスエム)のデモ口座を使って練習していました。
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