日本国内の仮想通貨取引所を対象に、2021年現在「最大レバレッジを2倍に引き下げる」いった方針が発表されました。
4倍から2倍へのレバレッジ規制は、金融商品取引業に関する法律により規定され、日本国内にオフィスを構える全ての仮想通貨(暗号資産)取引所が対象となります。
「仮想通貨のレバレッジ2倍はいつから?」
「仮想通貨のレバレッジ2倍引き下げでどんな影響がある?」
「仮想通貨を今後も高いレバレッジで取引するには?」
今回は、仮想通貨界隈で話題となっている「レバレッジ2倍」をテーマに上記の疑問を解決します。
基本的には顧客保護の観点から実施されたレバレッジ規制
とは言え、キチンと知らないとリスクはむしろ高まるといった話です。
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2月中旬から国内取引所は2倍のレバレッジへ
2021年2月、国内取引所で仮想通貨のレバレッジ取引で2倍のレバレッジ引き下げが行われる事になりました。
元々、世界的には仮想通貨に対するレバレッジ規制が話題となっており、4倍規制もごく最近ながら、「2倍に引き下げられるのでは?」といった声もありました。
日本国内においては、金融商品取引業に関する法律の改正に伴い、ビットコインFXを始めとする仮想通貨FXは2倍のレバレッジに規制されることが決定されています。
✓国内大手取引所bitFlyerのレバレッジ変更
2021年2月中旬以降の新規発注時のレバレッジは最大4倍→2倍へ変更
2021年4月中旬以降の全建玉(全ポジション)の最大レバレッジは4倍から2倍へ変更
国内のビットコインFXで人気のビットフライヤーでは、上記の予定で順次最大2倍のレバレッジへ変更していくとの事。
また、同期間内にて、法人口座についても同様にレバレッジ変更が行われる予定になります。
金融商品取引法の改正で国内でレバレッジ取引は終わり?
日本国内で金融庁の認可で営業する、仮想通貨取引所は金融商品取引業に関する法令を遵守する必要があります。
したがって、ビットコインFX・仮想通貨(暗号資産)のレバレッジ取引を引き続き提供する場合は、確実に2倍のレバレッジへと引き下げられます。
また、法改正を受け、新しい体制を整えるのに一定の予算が必要です。
本件が重しとなって、レバレッジ取引から撤退する取引所も発生しました。
代表例としては「コインチェック」です。
コインチェックは2021年3月31日に証拠金取引(レバレッジ取引)の提供を終了する予定になります。
- GMOコイン
- DMM Bitcoin
- 楽天ウォレット
上記の3つの取引所は、法改正後でも有効な金融商品取引業者の登録を完了しています。
ただし、前述したbitFlyerについては登録が現段階で完了しておらず、引き続き体制の整備と大きな予算が必要となるでしょう。
世界的に見ても人気のコインチェックは、大口取引で使われていましたが、本件による証拠金取引からの撤退は市場に悪影響がでないか心配です。
仮想通貨のレバレッジ規制によるメリット・デメリット
仮想通貨のレバレッジ規制によるメリット | 仮想通貨のレバレッジ規制によるデメリット |
仮想通貨を暗号資産として見る動き | 少額資金で取引できない |
仮想通貨のレバレッジが2倍になり、私たちトレーダー・投資家にとってどの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか?
新しい法規制が生まれた事で、良い側面と取引で不利になるといった事実があります。
仮想通貨を暗号資産として見る動き
仮想通貨は、2018年からG20による世界の先進国で「暗号資産(デジタルアセット)」と呼ぶ提案がありました。
同年12月には日本の金融庁が仮想通貨を暗号資産へと呼称変更を発表しています。
レバレッジ2倍規制が、取引において少なからず悪影響を及ぼしますが、金融商品取引業に関する法律により、規制対象となっている事実は明るいニュースです。
単なる、ネット上の実体を持たない仮想通貨から、デジタルな資産価値して認識される流れに変化しつつあります。
少額資金で取引できない
仮想通貨のレバレッジ2倍への引き下げは、少額資金の取引ができない環境を作ってしまいます。
例えば、本記事執筆時点でビットコイン価格は1BTC=600万円へ突入しました。
レバレッジ2倍では、1BTCを取引するにも最低300万円が必要です。
もちろん、実際には1BTCを満足に取引する場合、証拠金が一定割合を上回る必要があります。
したがって、少額資金で満足にビットコインのレバレッジ取引を行うには、1BTCを余裕を持って取引できる様な数千万円の資金が必要です。
レバレッジ規制とロスカットルール
レバレッジ2倍の規制は、投資家保護の観点から大きなレバレッジを使わず、大きな損失を出しづらい仕組みを作り出します。
しかし、元本以上に損失が膨らむ可能性は、レバレッジ2倍となり、むしろ高まった印象です。
日本の仮想通貨取引所のロスカットルールでは、証拠金以上に損失が出た場合、追証(おいしょう)として不足分を支払う必要があります。
つまり、資金に対し2倍の倍率は、ポジションを維持するのが難しくなりロスカットされやすい環境です。
これまで、2倍以上のレバレッジで取引していた仮想通貨トレーダーは、資金効率が下がり、ロスカット→追証→損失が補えず借金のリスクが高まってしまいました。
仮想通貨FXで2倍以上のレバレッジを使うには?
仮想通貨FXで2倍のレバレッジ規制により、取引所だけでなく個人で投資・投機を撤退を検討されている方も多いでしょう。
しかし、レバレッジ2倍への引き下げは「日本国内の取引所が対象」であり、海外は規制の対象外です。
2倍以上のレバレッジを使い、引き続き仮想通貨を取引するなら、海外のFX業者が選択肢として挙げられます。
仮想通貨CFDなら5倍~500倍のレバレッジ
海外FX業者では、仮想通貨市場の急成長を受け「仮想通貨CFD」の取り扱いが増えました。
CFD(Contract For Difference)とは、差益決済取引の事で、取引方法はビットコインFXや為替FXと同じです。
対象銘柄のCFD商品を売買し、差額が利益・損失となる取引方補になります。
仮想通貨CFDが現物の取引ではないので、ビットコインFXと同じくレバレッジ取引が可能な上、倍率もより高く少額資金で取引可能です。
仮想通貨CFDで2倍以上のレバレッジが使えるのは?
- FBS(エフビーエス) 最大3倍
- FXGT(エフエックスGT) 最大500倍
- Exness(エクスネス) 最大100倍
仮想通貨CFDが取引できる人気の海外FX業者は、上記の3社が筆者自身の利用経験も含めて安心して使えるでしょう。
(他にも仮想通貨CFDを取り扱っている他社も存在しますが、実際にトレードで使った経験がないので今回は除外です。)
海外FX業者なら「追証なし」
【最大5倍】FBS(エフビーエス)
FBSは2009年に設立された大手海外FXブローカーです。仮想通貨CFDを取り扱っており、以下の銘柄を最大3倍のレバレッジで取引できます。
- BTC/USD(ビットコイン)
- ETH/USD(イーサリアム)
- DASH/USD(ダッシュ)
- LTC/USD(ライトコイン)
ドル建てで、仮想通貨CFDの最大3倍のレバレッジが行えます。取り扱い銘柄が他社と比較して少ないのがデメリットです。ただし、為替の取引に関しては証拠金2万円まで最大3000倍のレバレッジが使えます。仮想通貨をサブ的な取引として、為替中心に少額運用できるので筆者自身がメイン口座として1年以上活用しているのもFBS(エフビーエス)です。
FBSの基本情報
FBSの運営元 |
FBS Markets Inc(2009年設立) |
運営元の所在地 |
2118, Guava Street, Belize Belama Phase 1, Belize |
金融ライセンス |
IFSC(ベリーズ国際金融サービス委員会) CySEC(キプロス証券取引委員会) ASIC(オーストラリア証券投資委員会) FSB(南アフリカ金融サービス委員会) |
レバレッジ | 取引方式 | 受賞歴 |
最大3000倍 | NDD(STP/ECN) | 第三者機関より10個以上認定 |
取引プラットフォーム | ドル円のスプレッド | スキャルピング・自動売買 |
MT4/MT5 | 平均2.2pips(0pips固定あり) | 両方可能 |
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【最大500倍】FXGT(エフエックスGT)
おそらく、仮想通貨界隈で最も有名なFX業者は「FXGT(エフエックスGT)」でしょう。2020年に設立と歴史は浅いものの、最大500倍のレバレッジで仮想通貨CFDが取引できる事もあり話題となりました。
FXGTが取り扱う仮想通貨CFDは以下の通りです。
- ビットコイン(BTC/USD・BTC/JPY・BTC/EUR)
- イーサリアム(ETH/USD・ETH/JPY・ETH/EUR・ETH/BTC)
- リップル(XRP/USD・XRP/JPY・XRP/EUR・XRP/BTC)
- ライトコイン(LTC/USD・LTC/JPY・LTC/EUR・LTC/BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH/USD・BCH/JPY・BCH/EUR)
現状、日本国内から利用できる仮想通貨取引として最大500倍が最も高い倍率です。筆者の今週で取引する銘柄を絞って取引するので、「今週は仮想通貨のトレードを中心にしよう」といった場合に愛用しています。法定通貨で仮想通貨の本格的なトレードが可能ですから、ビットコインを国内取引所で購入し、送金するといった無駄なコストがないのも魅力になります。
FXGTの基本情報
FXGTの運営元 |
360 Degrees Markets Ltd(2019年設立) |
運営元の所在地 |
Suite C, Oion Mall Palm Street Victoria 8421720-1, Mahe, Seychelles |
金融ライセンス |
FSA(セーシェル金融サービス庁) |
レバレッジ | 取引方式 | 受賞歴 |
最大500倍 | NDD(STP) | なし |
取引プラットフォーム | ドル円のスプレッド | スキャルピング・自動売買 |
MT5 | 平均1.5pips | 両方可能 |
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【FXGTの評判まとめ】仮想通貨を取り入れた新しい海外FX業者
2020年に新しい海外FX業者FXGTがオープンしました。 FXGT(エフエックスジーティー)は、為替と仮想通貨の取引に力を入れたハイブリットブローカーです。 運営年数が大手と比較して、圧倒的に短いF ...
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【最大100倍】Exness(エクスネス)
Exnessは2008年に設立された、グループ全体で4つの金融ライセンスを持つ大手FXブローカーです。仮想通貨CFDに関しては5つの通貨を最大100倍のレバレッジで取引できます。
- ビットコイン(BTC/USD・BTC/KRW・BTC/JPY)
- ライトコイン(LTC/USD)
- イーサリアム(ETH/USD)
- リップル(XRP/USD)
- ビットコインキャッシュ(BCH/USD)
具体的に上記の仮想通貨CFDを最大100倍レバレッジで提供しています。Exnessは条件達成により「無制限レバレッジ(実質21億倍)」が使える唯一のFX業者になりますが、残念ながら仮想通貨CFDは対象外です。ただし、ロスカット水準が証拠金維持率0%なので少額資金をフル活用した取引が可能になります。
Exnessの基本情報
Exnessの運営元 |
Nymstar Limited(2008年設立) |
運営元の所在地 |
1 Siafi PortoBello、Office 1、3042、Limassol Exness |
金融ライセンス |
CySEC(キプロス証券取引委員会) FSA(セーシェル金融サービス庁) FCA(英国金融行動監視機構) |
レバレッジ | 取引方式 | 受賞歴 |
最大2000倍/無制限レバレッジ | NDD(STP/ECN) | 顧客満足度に関する受賞歴あり |
取引プラットフォーム | ドル円のスプレッド | スキャルピング・自動売買 |
MT4/MT5 | 平均1.1pips(ECNは0.1pips) | 両方可能 |
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仮想通貨の2倍レバレッジ まとめ
今回は「【いつから?】仮想通貨FXのレバレッジが4倍→2倍へ。各社の対応と解決策」のテーマでした。
この記事をまとめると以下の通りです。
- 仮想通貨の2倍レバレッジは2月中旬から順次実施される予定
- 金融商品取引業に関する法改正で撤退する国内取引所も発生中
- 仮想通貨CFDなら、海外FX業者で高いレバレッジを利用できる
レバレッジ自体は確かに諸刃の剣であり、使い方を知らないとリスクが高まるのも事実です。
しかしながら、高いレバレッジを上手く活用するとリスクを下げ、利益を最大化できるのも事実になります。
筆者自身もレバレッジは高い方が有利に取引でき、運用効率は上がると考えており、今回のレバレッジ2倍への引き下げは注意喚起していきたいです。
仮想通貨もFXも同じですが、海外口座で高いレバレッジとゼロカットによる追証無しが多くのトレーダーに愛用されています。