Alligator(アリゲーター)とは、相場心理学やカオス理論で知られる有名トレーダー「ビルウィリアムズ」が開発したインジケーターの1つです。
いわゆる、ビル・ウィリアムズ系に分類されるインジケーターになります。
Alligatorは、トレンド発生を早い段階で示すことができ、順張りトレードに向いたインジケーターの1つです。
今回は、インジケーターAlligatorの基本とトレード手法まで、分かりやすく解説します。
注意
今なら13000円の取引ボーナスがもらえる
[toc]
【基本編】Alligator(アリゲーター)とは?
Alligator(アリゲーター)を分かりやすく言うと「3本の移動平均線を元に未来のトレンドを示したもの」と言えます。
画像の通りに、Alligatorは3本の平滑移動平均線でチャート上に表示されますが、単純な移動平均線と違い、チャートの余白部分にまで伸びているのが特徴です。
具体的に、期間設定の異なる3つの以下3つの平滑移動平均線でAlligatorは構成されています。
Alligatorの構成
【青線】表示するチャート上の位置を8期間ずらした13期間の平滑移動平均線
【赤線】表示するチャート上の位置を5期間ずらした8期間の平滑移動平均線
【緑線】表示するチャート上の位置を3期間ずらした8期間の平滑移動平均線
ようするに3つの移動平均線をずらして表示しているのがAlligatorです。
しかしながら、単に移動平均線をずらすだけでも、優れたインジケーターとして機能します。
例えば、移動平均線では、現在価格を含めて平均を算出し、チャート上に表示するため値動きに対して、シグナルの発生が遅くなるのがデメリットです。
Alligatorは、一歩先に移動平均線を表示させることで、単純な移動平均線よりもシグナル発生を早くすることができます。
したがって、トレンド発生をいち早く認識できるインジケーターとして有名です。
「Alligator」=「ワニ」
Alligator=ワニという言葉の意味通り、インジケーター内の平滑移動平均線にもユニークな名称が付けられています。青線の長期平滑移動平均線を「アリゲーターの顎」、赤線の中期平滑移動平均線は「アリゲーターの歯」、緑線の短期平滑移動平均線を「アリゲーターの口」と言います。特にトレードで呼び方は重要ではありませんが、ユニークな名前から親しみやすいですね。
【準備編】MT4/MT5でAlligatorを表示する手順
ここでは、初心者向けに取引プラットフォームから、チャートへAlligatorのインジケーターを表示する手順を解説します。
定番の取引プラットフォームMetaTrader4を例に、PC版・スマホ版の表示手順を実際の操作画面に沿ってまとめました。
操作方法は同じ
本記事ではMetaTrader4による操作画面で解説しますが、基本的にMetaTrader5も同様の手順ですので、そのまま参考にお使いください。
【PC版】MetaTrader4でAlligatorを表示する手順
MetaTrader4でAlligatorを表示するには、上部メニュー「インディケータ」→「カスタム」→「Alligator」の順にクリックしましょう。
Alligatorの設定画面が表示されます。こちらの画面から期間設定などの変更もできますが、デフォルト設定のまま使うのがオススメです。
ビル・ウィリアムズ系のインジケーターは、数あるテクニカルツールの中でも、トレーダーであるビル・ウィリアムズ氏の理論が軸となっています。
したがって、デフォルト設定=考案者自身が優位性を検証したものと言えるため、デフォルト設定を使うのが定番です。そのまま「OK」をクリックしましょう。
こちらの画像の様にAlligatorがチャート上に表示できていれば準備完了です。
【スマホ版】MetaTrader4でAlligatorを表示する手順
スマホ版のMetaTrader4で、Alligatorを表示するには画像のアイコンをタップします。
表示中のインジケーター一覧画面が表示されます。Alligatorをチャートに挿入する為に「メインウィンドウ」をタップしましょう。
搭載されているインジケーターの一覧が表示されます。画面をスクロールし、ビル・ウィリアムズの欄から「Alligator」をタップしましょう。
Alligatorの設定画面が表示されます。PC版と同様にまずはデフォルト設定のまま使うのがオススメです。そのまま、画面右上の「完了」をタップしましょう。
こちらの画像の様にAlligatorがチャート上に表示されていれば完了です。
立て画面表示だと、Alligatorの先行位置が見づらいので画面を横にして使うのが良いでしょう。
【手法編】Alligatorでトレンド追随期を狙う
ここまで、Alligatorの基本情報と表示手順を解説しました。次は、具体的な手法の話をしていきます。とは言え、Alligatorを手法として使うのは簡単です。
こちらのチャート様に、3本の平滑移動平均線の方向が同じ向きに揃った状態が、Alligatorの見せるシグナルです。Alligatorを使った手法では、以下の平滑移動平均線の並びによって発生するシグナルを活用します。
【買いシグナル】3本の平滑移動平均線が上向きに開いている
①緑の5期間平滑移動平均線が最も高い位置にあり上向きを示している
②赤の8期間平滑移動平均線が中間の位置にあり上向きを示している
③青の13期間平滑移動平均線が最も低い位置にあり上向きを示している
【売りシグナル】3本の平滑移動平均線が下向きに開いている
①緑の5期間平滑移動平均線が最も低い位置にあり下向きを示している
②赤の8期間平滑移動平均線が中間の位置にあり下向きを示している
③青の5期間平滑移動平均線が最も高い位置にあり下向きを示している
Alligatorでは、3本の平滑移動平均線の位置関係を取引シグナルとして考えます。
まだ、ローソク足の形成されていない余白部分に注目し、3本の平滑移動平均線が上から短期・中期・長期の順で広がりを見せれば、上昇トレンド発生。
一方で、3本の平滑移動平均線が下から短期・中期・長期の順に広がれば下降トレンド発生です。
- 上昇トレンド発生中→順張りの買い
- 下降トレンド発生中→順張りの売り
Alligatorを使った手法では、平滑移動平均線の示すトレンド方向への順張りが基本となります。
Alligatorは反応が早いから正確?
Alligatorを手法に取り入れて失敗する人に多い原因として「Alligatorは移動平均線より反応が早いから正確」と過信している場合があります。
実際に、Alligatorはトレンド発生を初期から必ずしも捉えらるとは限りません。
なぜなら、画像のチャートの様に押し目を作ってから再上昇しているケースもあるからです。
Alligatorが買いシグナルを発生させた場所を見ると、押し目を過ぎてから平滑移動平均線の並びが変化しています。
つまり、Alligatorはトレンド初期ではなく、トレンド追随期にシグナルを発生するのです。
重要なのは、やはりリアルタイムの値動きを見て、Alligatorも判断材料と取り入れることにあります。
トレンド初期と追随期は、ダウ理論に基づく考え方です。
Alligatorを使って上手く取引ができない方は、ダウ理論から学んでみましょう。
-
【本質】ダウ理論をわかりやすく解説!知らないとFXで一生勝てません。
今回は「ダウ理論」について、わかりやすく解説します。 ダウ理論と言えば、全ての金融市場で意識される超重要な相場理論です。 FXも例外ではありません。 「億トレーダーの使う○○手法」「ヘッジファンドの○ ...
続きを見る
Alligatorを使う時は早さが大切
Alligatorは、トレンド初期を見つけやすいと言われる反面、実際にはトレンド追随期でシグナルを示すと解説しました。
確かに、移動平均線を単に表示するより、Alligatorを使った方が早いです。
ただし、シグナルが発生した場合は可能な限り、早い判断が必要になります。
例えば、画像のポンド円1時間足チャートに、Alligatorの買いシグナル・売りシグナルを見てみましょう。
白線部分は、それぞれAlligatorが買いシグナルと売りシグナルを見せた部分です。
トレンドに上手く乗れる場合と、シグナル発生後から直ぐに大きく逆行しているケースもあります。
逆行すれば、取引は負けてしまい不要な損切りとなるでしょう。
したがって、Alligatorを手法に取り入れたら、可能な範囲で早めの判断を下す必要があります。
例えば、重要な価格帯に水平線を引き、エントリーポイントや損切りの価格を考えておくなどが有効です。
また、Alligatorの考案者であるビル・ウィリアムズ氏は「トレンドは、その時間軸の15~30%程度であり、Alligatorの集束は利確のタイミング」と言っています。
なので、Alligatorのシグナルだけでなく、集束から決済タイミングを図るのも有効でしょう。
【まとめ】Alligator(アリゲーター)とは?
今回は「【基本~手法まで】Alligator(アリゲーター)とは?順張りトレードで使えるテクニカル」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- Alligatorとは、ビル・ウィリアムズ考案のテクニカルインジケーター
- 3本の平滑移動平均線を先行して表示することで、トレンド状態を分析できる
- Alligatorは、移動平均線より早いシグナルが特徴だか、実際にはトレンド初期ではなく追随期にシグナルを発生
- ダウ理論ベースで相場を捉え、判断材料としてAlligatorを取り入れる
- ビル・ウィリアムズ氏曰く、時間軸内のトレンドは15~30%であり、Alligatorの集束は利確を考える
Alligatorは、インジケーターの中でも割とマイナーな存在です。しかし、本記事から分かるように構成自体はシンプルでトレード手法に組み込みやすいものでした。とは言え、シグナル単体で手法を成り立たせるには精度が劣るので、ダウ理論や水平線といった指標を元に、判断を早くするのがポイントになります。Alligatorについて理解できましたら、実際のトレードでもぜひ活用してみてください。
今なら13000円の取引ボーナスがもらえる
XMの口座開設方法はこちら