EURGBP(ユーロポンド)は、日本人にとって馴染みの余りない通貨ペアの1つです。
どちら言うと、ユーロ円やポンド円の取引が多いかと思います。
とは言え、EURGBPは世界的に見ると、実は定番の通貨ペアです。
「EURGBPの分かりやすい特徴が知りたい」
「EURGBPでトレンドラインが上手く引けない」
「EURGBPのスプレッド広すぎ!狭い口座はないの?」
本記事では「EURGBPの解体新書」をテーマに、上記の疑問や悩みを解決します。
読み終える頃には、EURGBPのチャートが読みやすく、有利な取引環境を構築可能です。
注意
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EURGBP(ユーロポンド)の特徴と構成
EURGBPとは、欧州連合(EU)の共通通貨「ユーロ(EUR)」と、イギリスの通貨「ポンド(GBP)」で構成される通貨ペアです。
欧州圏の通貨同士による通貨ペアの代表格がEURGBPと言えるでしょう。
ドルストレートや、クロス円にも属さない「クロス通貨」にEURGBPは分類されます。
日本人にとっては、馴染みのないEURGBP(ユーロポンド)。実は、為替市場では取引量も多く、流動性の高い通貨ペアの1つです。
2019年の国際決済銀行(BIS)による公開データでは、EURGBPの取引量は9番目に多く、為替市場全体の2%を占めています。
金融の世界で、為替市場は約1000兆円の取引が1年で行われる最大規模。
ビックマーケットで、9番目のシェアを誇るEURGBPの特徴を理解するのは、FXで重要と言えます。
EURGBP(ユーロポンド)の値動きに見られる特徴
EURGBP(ユーロポンド)の値動きに見られる特徴
- トレンドラインより「水平線」が有効
- レンジ相場では「ダマし」が多い
- 200日移動平均線が効きやすい
EURGBP(ユーロポンド)の基本構成、市場規模の特徴を解説しました。
もう一段、実践的に値動きの特徴を解説します。
一見、ジグザグと不規則な値動きに見えるEURGBPですが、特徴を知るとシンプルです。
例えば、「EUGBPではトレンドラインが上手く引けない」と言った場合も、上記3つの特徴を抑えれば、押し目や戻り高値を掴みやすくなります。
トレンドラインより「水平線」が有効
EURGBP(ユーロポンド)では、トレンドラインより「水平線」が有効な特徴があります。
もちろん、トレンドラインが使えないといった話ではなく、意識されやすいのがトレンドラインより、水平線という意味です。
EURGBPは、流動性が高く、GBPUSDやEURUSDと比較してもボラティリティが落ち着いています。
しかし、水平線を基準とした値動きは大きくなりやすい傾向があり、「EURGBPでは水平線が効きやすい」と知っているだけでも取引で役立ちます。
少し、補足するとトレンドラインと水平線、どちらが優位なのかは通貨ペアの節目の考え方に繋がる部分です。
トレンドラインは、縦軸と横軸、価格と時間が元になります。
一方で、水平線は価格。
つまり、EURGBPは価格が安定しており、過去の高値・安値は割安・割高の基準として強く意識されやすいと言えるでしょう。
レンジ相場では「ダマし」が多い
EURGBP(ユーロポンド)の値動きには、レンジ相場で「ダマし」が多い特徴があります。
前述した通り、水平線が有効なEURGBP。
その半面で水平線を確認する様な動きが見られやすく、一時的にレンジ上下限を抜け、再度戻る展開が多いです。
また、ダマしを単なる負けとして考えるのではなく、ダマしが見られた価格にもヒントがあります。
ダマしで生まれた高値・安値は次の値動きでも、同じように意識される場合が多いです。
ダマしとは?
200日移動平均線が効きやすい
EURGBP(ユーロポンド)の値動きには、200日移動平均線が効きやすい特徴があります。
200日移動平均線、200期間移動平均線は金融市場おいて、昔から意識されているテクニカル指標の1つです。
EURGBPに関しては、具体的に日足と200日移動平均線が非常に役立ちます。
実際に、ERGBPの日足チャートへ、200日移動平均線を表示しましたが(画像)、トレンドの押し目予想に有効です。
ただし、移動平均線の性質上、レンジ相場との相性が悪いのは同じになります。
前述した通り、トレンドラインより水平線が効きやすいのがEURGBP、トレンド相場を見る時はトレンドラインより、200日移動平均線を重視すると良いでしょう。
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EURGBP(ユーロポンド)と相関するのは?
EURGBP(ユーロポンド)は、EURUSD(ユーロドル)とGBPUSD(ポンドドル)と相関します。
EURGBPの通貨ペア構成に、どちらも含まれており、対米ドルの価格変動と欧州通貨と相関しているのが理由です。
ただし、相関関係だけを目安にEURGBPを取引するのはオススメしません。
なぜなら、EURGBP・EURUSD・GBPUSDの3つの通貨ペアが必ずしも、リアルタイムに連動するとは限らないからです。
例えば、先にお伝えしたEURGBPの取引量は2019年時点で「世界第9位」でした。
一方で、EURUSDは第1位、GBPUSDは第3位。
つまり、市場規模が全く異なるので、同じ様に下目線でも、同じ量の取引が成立しないので、価格への影響も変わっていきます。
ちなみに、EURUSDとGBPUSDでも、全体の24%、9%と市場の占有割合が異なり、大きな流れは相関でも、完全に連動するとは言えません。
EURGBP(ユーロポンド)のスプレッドが狭いFX業者はどこ?
EURGBP(ユーロポンド)の特徴について、ここまでお届けしました。
値動きには、水平線もとい一定の価格が意識されやすい特徴があります。
EURGBPを取引する上で、特徴や分析も重要ですが、スプレッドの狭いFX業者を利用するのも有効です。
例えば、同じ水平線で指値注文をしても、スプレッドの狭い業者、広い業者では大きく差が開きやすくなります。
スプレッドが広いと約定価格は不利に、狭ければ単純に含み益となるまでが早いです。
ここでは、EURGBPを低スプレッドで取引できるFX業者を3社ピックアップしました。
掲載スプレッドについて
【取引手数料:無料】EURGBPのスプレッドが狭いFX業者
XM | TitanFX | iFOREX | GemForex | FBS | Exness | Axiory | FXGT |
1.8pips | 1.4pips | 1.3pips | 2.0pips | 3.2pips | 1.0pips | 1.4pips | 1.7pips |
- 【第1位】Exness プロ口座 結果1.0pips
- 【第2位】iFOREX 個人口座 結果1.3pips
- 【第3位】TitanFX スタンダード口座 / Axiory スタンダード口座 結果1.4pips
EURGBPのスプレッドを、人気の海外FX業者によるスタンダード口座(取引手数料が発生しない口座タイプ)で比較しました。
EURGBPが最も低スプレッドなのはExness(エクスネス)のプロ口座です。
Exnessは、業界で唯一、無制限レバレッジが利用できるFX業者。
プロ口座は、初回入金で10万円が必要なので敷居が高くなります。
ただし、以下の条件で無制限レバレッジ(実質21億倍)が使えるのは大きな魅力です。
①Exnessで合計5ロット以上の取引(注文→決済で1回カウント)
②Exnessで合計10往復以上の新規注文
③口座残高が999ドル未満(約10万円以下)
意外と条件自体は難しくないのが、Exnessが話題となる理由。
とは言え、レバレッジを重視しない場合もあるでしょう。
iFOREXやTitanFXなら最大400倍・500倍で、割と低いスプレッドを実現できます。
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【Exnessの評判】どんなFX業者?メリット・デメリット・信頼性を徹底レビュー
海外FX業者Exness(エクスネス)に関する情報が少ない。 2020年に日本語対応開始なので、レビューがあまりないですよね。 「Exnessが話題なのは知ってるけど、どんなFX業者?」 「海外FX口 ...
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Exness(エクスネス)の概要
Exnessの運営元 |
Nymstar Limited(2008年設立) |
運営元の所在地 |
1 Siafi PortoBello、Office 1、3042、Limassol Exness |
金融ライセンス |
CySEC(キプロス証券取引委員会) FSA(セーシェル金融サービス庁) FCA(英国金融行動監視機構) |
レバレッジ | 取引方式 | 受賞歴 |
最大2000倍/無制限レバレッジ | NDD(STP/ECN) | 顧客満足度に関する受賞歴あり |
取引プラットフォーム | ドル円のスプレッド | スキャルピング・自動売買 |
MT4/MT5 | 平均1.1pips(ECNは0.1pips) | 両方可能 |
【取引手数料:有料】EURGBPのスプレッドが狭いFX業者
EURGBPを低スプレッドで取引するなら、外付けの取引手数料を支払い、低スプレッドで取引できるFX口座も良いでしょう。
いわゆるECN方式と言われるFX口座では、取引手数料を支払う事で、為替市場へ直接注文が流れます。
直接注文によって、スプレッドが狭く、有利な価格で約定させやすいのがメリットです。
XM | TitanFX | FBS | Exness | Axiory |
0.2pips | 0.4pips | 1.6pips | 0.4pips | 0.7pips |
- 【第1位】XM ゼロ口座 結果1.0pips
- 【第2位】Exness ECN口座 / TitanFX ブレード口座 結果0.4pips
- 【第3位】Axiory ナノスプレッド口座 0.7pips
スプレッドを比較すると、最も優れていたのはXM(エックスエム)のゼロ口座でした。
XMは、日本人利用者も多い、大手海外FX業者です。
ECN方式を採用しているゼロ口座は、EURGBPを0.2pipsの極小スプレッドで取引できます。
ちなみに、海外FX業者はレバレッジやゼロカットが優れる反面、国内と比較して広いスプレッドが弱点です。
しかし、クロス円以外の外貨同士は、海外FXの方が狭い場合が多くあります。
FX業者 | XM | TitanFX | FBS | Exness | Axiory |
取引手数料 | 往復10ドル(約1000円) | 往復7ドル(約700円) | 往復12ドル(約1200円) | 往復7ドル(約700円) | 往復6ドル(約600円) |
取引手数料についても確認しておきましょう。
取引手数料は、各社で異なるのでスプレッドだけでなく、取引手数料を含めてコストを考える必要があります。
上記は1ロットの往復取引手数料(注文→決済)ですが、XMのゼロ口座は若干、相場より高い印象です。
とは言え、取引手数料は、確定申告時に経費として認められるので一概には言えません。
目安年間で20万円ほどの利益がFXであげられる場合は、通常の口座より、取引手数料有料の方がメリットがあるでしょう。
XM(エックスエム)の概要
XMの運営元 |
Trading Point of Financial Instruments Ltd(2009年設立) |
運営元の所在地 |
12 Richard & Verengaria Street, Araouzos Castle Court, 3rd Floor, 3042 Limassol, Cyprus. |
金融ライセンス |
IFSC(ベリーズ国際金融サービス委員会) CySEC(キプロス証券取引委員会) ASIC(オーストラリア証券投資委員会) FCA(英国金融行動監視機構) |
レバレッジ | 取引方式 | 受賞歴 |
最大888倍 | NDD(STP/ECN) | 第三者機関より10個以上認定 |
取引プラットフォーム | ドル円のスプレッド | スキャルピング・自動売買 |
MT4/MT5 | 平均1.6pips(全口座タイプ変動制) | 両方可能 |
【2021年】EURGBP(ユーロポンド)の予想
EURGBPの特徴と、EURGBPの取引に最適なFX口座をここまでお届けしました。
次は、得たノウハウを実践的に活用してみましょう。
具体例として「2021年のEURGBPが今後どう動くのか?」の予想をまとめました。
前述した、EUGBPの通貨ぺア構成、そして値動きの特徴を理解すれば、誰でも同じレベルの分析が可能です。
【2021年】EURGBP(ユーロポンド)の重要価格
EURGBP(ユーロポンド)の重要価格
①【0.77663GBP】②を下回った場合の安値予想値
②【0.82970GBP】直近の下げ止まり予想値
③【0.92624GBP】直近の下落前水準
④【0.94996GBP】④を上回った場合の高値予想値
EURGBPの特徴にて解説した通り、EURGBPは「水平線」が意識されやすいです。
直近でも、分かりやすい形で水平線が引けますから、2021年現在の重要価格は上記4つが推測できます。
いずれも、2回以上サポートラインとして意識される、あるいはダマし後に髭で巻き返し展開が起きた価格です。
各水平線に挟まれるカタチで、現在は高値を切り下げ、ダウ理論上の下降トレンド。
チャートは週足なので、長期は下降トレンドの目線となる見通しになります。
ダウ理論とは?
【予想】「戻り売り」がEURGBPの基本戦略
2021年現在、ダウ理論上は、下目線がEURGBPの見通しです。
目線を変えて、EURGBPの特徴でお伝えした「200日移動平均線」で考えてみましょう。
日足レベルでは、グランビルの法則「売りの①」です。
【グランビルの法則 買いシグナル】
買い①→200日移動平均線が右肩下がりor水平の時に価格が上抜け
買い②→200日移動平均線が右肩上がり、価格は一時的に下がるもSMAで再上昇
買い③→200日移動平均線が右肩上がり、価格がSMA付近で再上昇
買い④→200日移動平均線が右肩下がり、価格と大きく離れている(乖離)
【グランビルの法則 売りシグナル】
売り①→200SMAが右肩上がりor水平の時に価格が下抜け
売り②→200SMAが右肩下がり、価格は一時的に上がるもSMAで再下降
売り③→200SMAが右肩下がり、価格がSMA付近で再下降
売り④→200SMAが右肩上がり、価格と大きく離れている(乖離)
EURGBPで200日移動平均線との相性が良い事、そして200期間の移動平均線は、大口投資家も確認する重要なテクニカル指標です。
明確に「売り」と言えるシグナルが発生した以上は、「戻り売り」が有利になるでしょう。
例えば、短期的に上昇局面を迎えた場合、200日移動平均線から、再び下落に転じる展開が予想されます。
トレンドラインは効きづらい、このような特徴がEURGBPにはありますから、戻り売りには200日移動平均線が有効です。
【解体新書】EURGBP(ユーロポンド)の特徴 まとめ
今回は「【解体新書】EURGBP(ユーロポンド)の特徴【値動き・相関・2021年予想】」のテーマでした。
この記事をまとめると以下の通りです。
- EURGBPは為替市場で9番目の取引量
- EURGBPの値動きは「水平線」「200日移動平均線」が反映されやすい
- EURGBPは、EURUSD・GBPUSDと長期的な相関がある
- EURGBPのスプレッドが低いのは「Exness(プロ口座)」
- 極小スプレッドが良い・取引手数料も許せるなら「XM(ゼロ口座)」
- 2021年最新の予想は「下目線」、戻り売り戦略が優位
EURGBPは、ポンドが入るのでFX初心者には難しいと思われがちです。
とは言え、実際には、割と価格が安定している通貨ペア。
FX初心者=とりあえずドル円、そして少し幅を広げるならユーロポンド(EURGBP)も良いでしょう。
欧州系の通貨ペアは、海外FX業者でも最適な口座を知っていれば、意外と狭いスプレッドで取引可能。
今回ご紹介した中で、XMに関しては、未入金で3000円のトレード資金が貰えるボーナスがあります。この機会にどうぞ。